打ち合わせのたびにお花のお話を伺います。お母さんがどんなお花を好きだったのか、その想いを思い浮かべながら、お花は故人様への最も温かい贈り物のひとつだと感じます。
胡蝶蘭やシベリアなどの美しい花々ももちろん素敵ですが、やはり一番心に響くのは、身近で一緒に育て、見守ってきた花々ではないでしょうか。
娘さんの庭には咲き始めたお母さんの大好きだったお花たちーアジサイやバラ、テッセン、シャクヤク、ボタンーその一つ一つが、まるでお母さんがそばにいるかのように感じられます。お花が咲くのを心待ちにしていたお母さんの笑顔や、愛情を込めて育ててきた日々が思い出されるようです。
持ってきていただいたお花は、きっとお母さんが楽しみにされていたことでしょう。お花たちに囲まれたお見送りは、きっとお母さんにとっても、何よりも温かく心に響く時間だったのだと思います。お母さんの優しさや愛情が、これからもお花たちと共に、静かに語り継がれていくことでしょう。
SAKASOU 大川亮胤